2018年1月11日木曜日

大久保通り拡幅計画 テレビ放送されました

大久保通り(都道放射25号線)拡幅について、1/7のTBSテレビ「噂の東京チャンネル」で放送されました(写真は現地で取材の様子)。番組では、東京オリンピックを理由として眠っていた道路整備が進められることについての疑問、商店街の分断への懸念、立ち退かざるを得なかった人々がお気の毒であること、大久保通りの交通量が減っていることなどが報じられました。


 一方、道路整備にはこれから非常に長期間を要し(現在の用地取得率は10%)、その間は道路予定地は金網囲いの空き地とされること(区の協力があれば有効活用の可能性あり)、道路整備と沿道地区まちづくりがまったくリンクしていないことなどは報じられませんでした。

 放送では、大久保通り整備の理由として、都の回答として「都心部の道路通行の円滑化」が挙げられていましたが、都心主要道路の通行量も近年は横ばいか漸減傾向にあります(下図)。自動車通行のための道路整備は既に大義を失っているのに、都市計画決定済みだから、事業認可されたからという理由で、時代が変化しているのに省みることなく進められています。しかも都市計画決定されているのは全体幅員のみで、その内訳、すなわち道路空間の使い方~歩道や車道の配分など~は事業計画変更で可能なのです。将来の人々に恥ずかしくない公共資産として、道路空間の整備や使い方を見直すべきと考えます。



 放射25号線で、後楽園方面から神楽坂近くに至る整備、開通済み部分は、人も車もまばらな状況です。少数の通過交通に快適なだけで、地域を分断しています。これが21世紀の東京のあるべき姿とは、とても思えません。


  
新宿区はS63(1988)、神楽坂地区を「まちづくり推進地区」に指定しました。H3(1991)には「神楽坂地区まちづくりの会」が発足し、翌H4(1992 )には同会によって「神楽坂地区まちづくり推進計画」が策定されました。

 その後、まちづくり組織としてH15(2003)には「NPO粋なまちづくり倶楽部」、翌H16(2004)には「神楽坂まちづくり興隆会」が発足し、新宿区と共に神楽坂地区のまちづくりを推進して来ました。実に30年間に亘るまちづくりの歴史が神楽坂にはあります。

 他方、東京都が進めようとしている「大久保通り拡幅計画」のコンセプトは「都心部の道路交通の円滑化」です。いま私達は皆さんに問いたいと思います。「道は誰の為のものか?」と。都心部にあっては、もはや「車の為の道ではなく、人の為の道」でなければならないのではないでしょうか?131億円の税金を投入して東京都が大久保通りを拡幅するのであれば、拡幅する部分の多くはそこを歩く人々のための物でなければならないと考えます。

大久保通り拡幅問題がテレビで放送されます

 1月7日(日)13:00からTBSテレビ「噂の東京マガジン」で、神楽坂の中央部を通る都道・大久保通り拡幅計画が放送されます。昭和21年に都市計画決定されたまま、長年動かなかった道路計画が事業決定され、徐々に用地買収が進められています。

  現在の幅員18m片側1車線が、30m片側2車線にされる計画で、街の分断が危惧されます。一方大久保通りの自動車交通量は、1994年のピーク時から30%以上減少しています。

  神楽坂は公共交通の便がよく、歩くことを楽しめるまちです。諸状況から、道路空間が広がるのはやむをえないとしても、自動車中心社会から脱し、広がる空間を歩行者中心の空間にしていくことは、これからの社会において十分に意義のあることではないでしょうか。

神楽坂上交差点 道路予定地の建物が除却され、既に1年以上空き地に。
長期化が予想される。