2017年1月19日木曜日

神楽坂を読み解く! ワークショップ記録

1月13日に行われた、「神楽坂を読み解く!」ワークショップの成果を報告します。今回をスタートとして、神楽坂まちづくりシリーズを続けていきます。次回は2/3(金)、場所は「高齢者福祉施設神楽坂」です。


171回 神楽坂まちづくりすまいづくり塾
今、あらためて!神楽坂まちづくりシリーズ 第1回
神楽坂を読み解く!
【進行・プレゼンター】NPO粋なまちづくり倶楽部副理事長 鈴木俊治

■日時:2017(H29)年1月13日(金) 19:00-21:00
■場所:高齢者福祉施設神楽坂 地域会議室
■参加者 21

◆今、あらためて!神楽坂まちづくりシリーズ について   

【プログラム】
1. イントロダクション
 神楽坂固有の情景~次世代に残したいもの:
 まちの様々な情景を、写真を投影しながら見てみます。

2. 読み解きの手法:パタン・ランゲージとは
   パタン・ランゲージの概要と事例について説明。

3. パタン・ランゲージを創って、神楽坂を読み解こう(ミニワークショップ)
(1)つくり方の説明                                                                
(2)まず、自分でつくってみる~各自、カードに神楽坂の特徴やキーワードを書きだします。    
(3)ならべて、つなげる~下記の3班に分かれ、出されたキーワードを用いながら「パタン」を編集してみます。
(4)つなげて、見えてくること

【パタン・ランゲージをつくるポイント】
Ÿ・神楽坂の「特徴」、「本質」と思われることを書く。自分の主観で良い
 今こうなっておりこれが大切、将来ともにこうあってほしい、ということを具体的に書く。
・ 物的状況(地形、天気、道、建物、塀、緑、歩いて見える景色、路面、光、壁、窓、玄関前、入口 等)と人々の行動(買い物をしている、笑顔、歩いている、談笑、イベントで盛り上がっている、音楽 等)の両方の視点から書く。基本は付箋1枚にひとつのことを書く。
・ まずは難しく考えずに、単純なこと、当たり前のこと、思い浮かんだことをどんどん書く。

次世代に残したい、記憶に残る「良いこと」を、想像を膨らませて書く。

【ワークショップの班区分(パタンランゲージの大きな構成)】
1.都市・地域 東京、山手線内にある神楽坂について。  神楽坂とはこんな街)
2.表通りにおける建物、道(路地)と建物や工作物等の関係 (こんな風になっている、これは良い) 表通りとは、神楽坂通り、本多横丁、仲通り、軽子坂などを指す。工作物等とは、塀、垣、入口前の設え、石垣、緑、看板、照明、座る場所・設備 等を指す
3.路地界隈における建物、道(路地)と建物や工作物等の関係(こんな風になっている、これは良い)


【ワークショップの成果】
ワークショップの成果を以下に整理しました。班毎にまとめ方が異なっていますが、当日の成果をできるだけそのまま表現しています。これをもとに、神楽坂のひとつのパタンランゲージをつくり、まちの理解と価値の共有につなげて行きたいと思います。

★手順
  各自が神楽坂のキーワード、特徴などを付箋紙に書き出し、それを「都市」、「表通り」、「路地界隈」の3つに分類して出し合う。
  上記の3班に別れ、出されたキーワードを使いながら(足しても良い)、神楽坂の「パタン(良い、残したい特徴)」づくりを試みた。

★各班の成果(発表の要旨)
■都市
(キーワード)
  粋なまち(最上位のコンセプト)
  歴史的に新旧が調和している
  景観、特に坂の景観が特徴
  街並みが多様
  歩いていて楽しい
  伝統芸能がある
  花街を中心としたまち
  飲食店が多い
  コミュニティが濃い
  まちのなかで噂が早い

(編集してみると)
  まず、神楽坂は粋なまち
  その根拠は?
Ø  歴史が調和している。過去の歴史が消えるのではなく、そのうえに新しい歴史が積み重なったまち
Ø  江戸時代からの地形や地割がのこり、坂道がある。その景観が引き継がれている。
Ø  岡場所から花街が生まれ、これが核となって文学者らが集まり、芸能文化が発展した。中心は花街。
  花街や地形から生まれた文化を踏襲した店や、昔からのにぎわいを受けた店が多い。そういう店に来たい人たちが集まるまち。
  その外側にこのまちが好きで、このまちで何かしたいという人が集まったコミュニティができている。

■表通り(神楽坂通り、本多横丁など)
  「和」。歴史や芸能、地形が表通りにもよく現れる。和服、伝統芸能、習い事、人間国宝などのキーワードがある。
  洋だけでなく、和の店も多い。和服で働く、和服を着てきたいまち。
  「人」。地形を踏襲したコミュニティがある。
  「狭い道」。一方通行であり狭く、きつい。しかしそのおかげで通りの反対側の人が見え、声が聞こえる。そこで出会いが生まれる。
  「多様性」。多様な食があり、観光客、老若男女が混ざり合う。
  「品格」。伝統や歴史に関係し、夜の灯りは暗めになっている。パリのイメージ。品格のある街。大人の町であり、客引きや柄が悪い人、泥酔者が少ない。
  「イベント」。神楽坂祭り、ほおずき市、露店等イベントを表通りで実施している、みちが利用されている。
  「景観」。坂にケヤキ並木がありその眺望が表通りの特徴のひとつ。また、坂なのでケヤキの間から空が抜けて見える。
  「歴史」。まちのさまざまなスポットで、歴史が感じられる。そこから香りが感じられ。すてきなところが多い(楽山のまえなど)。
  「建物」。間口が狭い建物が並び、用途が混在している。
  「看板」。これについては矛盾する意見があり、店からはみ出る看板は汚いか、それとも遠慮がちでよいか。その境目があるまち。
  「出会い」。歩いているといろいろな人に出会い、そこで立ち話が多い。時間がゆっくり流れているまち。なぜか?みちが狭く、車はあっても速度がゆっくりなので人の速度と違和感が無い。車で来ると不便なまち。

■路地界隈
(キーワード)
  石畳、黒塀
  狭さ
  段差、曲がりくねる 先が見通せない。それがわくわく期待感になる。
  小さな緑が目につく
  三味線の音
  暗がりと灯り
  それぞれの路地に名前が付いている
  路地に面して商店がでており、新旧、和洋が混在している
  着物姿が似合う
  ネコがチョロチョロしても似合う
  形容詞で拾うと、楽しい、心地よい、わくわく等がいろいろなところに登場

(文章化すると)
  神楽坂の路地は を主語として
Ø  歴史を感じさせる空間である
Ø  石畳と黒塀が基本になっている
Ø  狭いから気持ちよい
Ø  階段と曲がった道を基本構成とする
Ø  三味線の音が聞こえる
Ø  暗がりと灯りが魅力
Ø  落ち着いたつくりの店が並ぶ
Ø  店は新旧和洋が混ざる
Ø  着物姿が似合う
Ø  ネコが似合う
Ø  外部の人たちにも勧めたい

  路地は個人所有地なので外部から触れてはいけない。それが神楽坂の淫靡な魅力をつくる。みんなが触らない世界であってほしい。

  路地で先が見通せないというのはいい意味で全貌が見えない。それが人の好奇心 探究心をくすぐるのではないか。



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